2011/10/3付 日本経済新聞
トヨタ自動車は3日、2020年をめどに非食用の植物を原料としたバイオ燃料の実用化を目指すと発表した。バイオ燃料をつくり出す酵母菌を独自に開発した。この酵母菌を使い、今後4~5年で高効率、低コストのバイオ燃料製法を確立する。量産にあたっては数百億円規模の設備投資が必要になるため、エネルギー企業など異業種との提携も検討する。
開発しているバイオ燃料は、ネピアグラスという熱帯の非食用植物を原料とする「セルロースエタノール」。このほど遺伝子組み換え技術を使った酵母菌を開発、原料の糖のうち87%をエタノールとして利用できるなど効率を高めた。現在、世界最高とされている技術は約84%で、これを約3ポイント上回るという。
バイオ燃料の製造工程も単純にし、コストを下げる。最終的にはガソリン価格並みに引き下げたい考え。量産プラントの開発などには多額の投資が必要なことから、他社との提携やライセンスの供与も念頭に事業化を進める。
ブラジルなどではバイオ燃料で走るクルマの販売が伸びている。ただサトウキビやトウモロコシなどを原料にすると食用と競合し、価格が変動しやすくなる恐れもある。トヨタは非食用のネピアグラスを自社で栽培することで、原料から精製まで一貫した技術開発に取り組むという。
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